ゲームミュージック個人的総論(草稿)1

ゲームミュージック(chip tune〜ストリーミング)の沿革。

0. 音楽以前期
効果音/ジングルのみ。基本的に単音。
音楽を奏でる為のハードウェアでない場合が多い。単純に無音では寂しいから音を付けているケースも。後期ではPSG的な効果音にも音楽にも使えるようなハードウェアが出るが、BGMを流すには処理能力が追いつかなかったこともある。
ビープ音やデータレコーダーのリレー音を高周波で鳴らす事で音階を作ったりする無駄なテクニックはFM(周波数変調)音源の始祖と云えなくも無いか?(ないない)

1. PSG期
チップによって差はあるが基本的に単純な矩形波三角波、のこぎり波、ノイズのみ。だが、初期のアナログシンセ的な厚みや、透明感のある音色で非常に味がある。
ドラムパートはノイズのみなのでしょぼいのは仕方なし。その分、メロディーやハーモニーでカバー。同時発音数が多くて3音程度なので、コード感を出す為にアルペジオを多用。擬似的にコードを鳴らす為に高速アルペジオを使うこともあるが、このテクニックは海外におけるPSG、SID音源でよく使われ、国内では少ない。

2. FM音源
初期はPSGと併用される事が多かった。ゲーム用は4オペが主流。2オペも使われた。
音色の幅が広がり、パラメータの増加によってドライバの能力が音質に大きく影響。

3. PCM音源期
初期はFM音源と併用される事が多く、ドラムやオーケストラヒットで多く利用された。当時のビットレートはまだまだ低く、荒々しくノイズ成分が多めだったり、メモリの制限によってFM音源と同様にドライバやマニピュレートの良し悪しが音質に大きく影響した。

3-a. CD音源
一部の機種で使用され、基本的に音源の制約は無くなったものの、ループが出来ない短所も。

4. ストリーム期
チャンネル/ポート的な発想はほぼ無くなり、CD音質の音をループして流せる様になった。この時点でゲームミュージックと云う概念は大きく変わる。
勿論、ループが前提/インタラクティブという特性は残る。

5. ストリーム+プログラム制御
ストリームで流す音を、状況に合わせてプログラムで制御する。リアルタイムで音楽を生成することが出来る様になり、インタラクティブ性を更に押し進めた。

1,2がいわゆるチップチューン。3の初期も音源の制約から独特の音がある。
5でゲームミュージックとしては完成形となるが、本論では主に1,2,3までを対象とする。