Visual系とNew Wave

備忘録も兼ねて書き散らしておく。

Visual系はその出自や容貌などからNew Wave的な要素を多く持つが実は音楽的にはそれほど近くはない。(音楽に対する考えは近い部分もあるかもしれないが)

ここでNew Waveや、New Wave的なブリティッシュロックをベースに持つバンドを書き連ねてみる。

Buck-Tick。当たり前だが直系。実はVisual系との繋がりよりもNew Waveの方が強いかもしれないくらい。兄バンド的なBOØWYNew Wave直系なので自明。初期は The Southern Death Cult 辺りの影響を特に感じる(特にギター)。

D'ERLANGER。というか、KYO。かなり露骨というか、そのまんまなので正直なのか大胆なのかよくわからない。CIPHERはBOØWYの影響下にあるし、そこから独自色を打ち出すためにゴシック〜ポジティブパンクの流れを取り入れている様に見える。KYOは元々ボーカル志望では無かったはずなので、どこからNew Waveに入ったのかはよくわからない。ステージングなどから bauhaus の影響が見えるし、歌詞やタイトルの言葉選びはNew Wave〜ゴシックの定型句というか引用がとにかく多い印象。Die In Cries時代のものも含めるが、「Your Funeral... My Trial」「Weeping Song」(Nick Cave & The Bad Seeds)、「VISAGE」(VISAGE)、あと Siouxsie & The Banshees 辺りからの引用も多かった気がするが思い出せない(気のせいかも?)。

Zi:KillNew Waveというよりは up-beat直系なのでブリティッシュロック系

LUNA SEA。メンバーによるが、特にギター2人はNew Waveの影響を直接/間接的に受けている印象。

Cali≠Gari。こちらも実は up-beatの影響下にあったりするが、出ている音はかなりNew WaveBuck-Tickなどの影響もあるし、現Vocalの石井秀仁がまさしくNew Wave直系なので。

L'Arc-en-Ciel。SmithやJapanなどの影響が強い。ボーカルはデビッド・シルビアン系。

GUNIW TOOLS。ボーカルは正しくデビッド・シルビアン直系。音楽的には特に2人体制になってからはブリティッシュロックの影響がかなり露骨。Primal ScreamThe Stone Roses など。

Eins:Vier。up-beat直系かどうかはわからないが、かなりルーツが近いと思われる。気持ち悪いボーカル(New Wave的な褒め言葉)という意味でも、個人的にはNew Wave影響下のブリティッシュロックでは国内最高峰に推したい。歌詞が英語の日本語訳的な、譜割りがかなり強引な感じも異物感がたまらなく New Wave。演奏的には(New Wave基準では)かなり巧いのも面白い。

こう見ると、自分の主観(歴史観)では日本のブリティッシュロックはBOØWYとup-beatがかなり担っていたようだ。しかし、興味深いのはBOØWYは実はNew Wave直系にも関わらず、影響を受けたバンドの殆どはNew Wave要素を殆ど削ぎ落としてしまって(ついでにブリティッシュロック的な面も受け継がず)、歌謡ビート・ロック的な(つまりは氷室京介的な)要素だけが残っているパターンが多く、一方でup-beat系はかなりブリティッシュロックの要素が受け継がれている印象。