SOFT BALLET は本当に早すぎたのか

たとえば動画サイトなどでSOFT BALLETの話が出た時に、良く「早すぎた」という言葉を目にする。もちろん印象でしか無いのだが、確かにSOFT BALLETは大きくブレイクすることは無かったし、今でもコアなファンが一定数居ることを鑑みるに、そのような言葉で修飾しやすい、というのはあるだろう。

しかし、本当に早すぎたのだろうか。というより、ここで一度日本の音楽ジャーナリズムの悪しき習性の様なものに触れてみる。自分がSOFT BALLETに関する雑誌の記事を読んで、彼らの音楽が「まんま Depeche Mode であること」を教えてくれるものに遭遇した覚えがないのだ。これは、知っていてそうしたのだろうか、それとも知らなかったのだろうか。どちらにしても問題である。推測では自分の観測範囲では後者の方が多い気がする。それが間違いであったとしても、何故か日本の(一部の)音楽ジャーナリストは、「似すぎているアーティストを参照せずに、少し遠くても自分が推したいものを参照する」事が多い、と自分は妄想している。まあ、SOFT BALLETDepeche Modeを引き合いに出すのはあまりにもそのまんますぎるから敢えて、とか、言わんでもわかるでしょ的な感じだったのかもしれない。(または自分の目が完全に節穴か)

実はここまで脱線しておいて、既に答えは出ている。DepecheMode は何故か日本では海外での人気とは程遠い知名度であったし、それは今でも変わらない。そして SOFT BALLET は、特に森岡氏の楽曲と遠藤氏の声は(特に「愛と平和」までは)ほぼDepeche Modeだ。つまり早すぎたのではない、日本では受けないのだ。

これでは余りにも救いがないし、書き散らしのメモだとしても荒すぎるので、もうちょっと補足を。

Depeche Mode日本支部の双璧が Cutemen である。Picorinの声はそれほど渋くはなく、CMJKのトラックは実はそれほどDepeche Modeしてないかもしれず、どっちかというと当時のハウスなのだろうか。少なくともSOFT BALLETよりもかなりポップだったにも関わらず、人気は後塵を拝していたように思う。より尖っていたほうが人気が出たのは嬉しいことだ。(Cutemenも好きだが)